憲法主義

憲法主義:条文には書かれていない本質

憲法主義:条文には書かれていない本質

確か読書メーターかなんかで見つけた本で、図書館で予約して最近借りてきました。

仲俣さんの経済の本みたいに少し学者さんの色があるのかなと思っていたけど、そうではなく、割と中立な立場で憲法について詳しく述べているなと感じました。


特に個人的に印象に残ったのは完全比例代表制は少数政党の乱立を生み政治が不安定化すると言うこと。

ドイツはそのせいで強い指導者を求め、ヒトラーを生んでしまったと言うのはなかなか踏み込んでいるな、と思いました。
その完全比例代表制の欠点を内山さんが述べているのもすごい。

また内山さんが集団的自衛権について、日本の平和はアメリカと仲良くやっていかないと守れない現状を指摘し、だからアメリカを守るのも自衛じゃないかと言うのもなかなか秀逸な意見だなあと思います。

そして、南野先生も改憲についての立場は日本が戦争に巻き込まれるのは反対としながらも、集団的自衛権そのものではなく、憲法が形骸化してしまう解釈改憲に反対と言うのには目から鱗でしたね。


この手の問題は不勉強ではありますが、いわゆる僕の中の護憲派の印象って何がなんでも戦争反対で、挙げ句の果てに無防備になれと言ってるように聞こえるような感じです。

勿論、僕とて戦争は嫌です。
ただ、中韓朝の動きや昨今のイスラム国の動きを見てると、戦力放棄、無防備はあまりにも現実離れしたことだと分かる。


だから、国を守るために最低限の戦力は必要だと思うんですよね。

僕ら戦後教育を受けてきた若者は、まず戦争反対と言うことを学びます。
そこから特にメディアから、政権の粗を受けとるうちに政府のしてる事はなんでも悪いと言うような極論を学ぶこともある。

で、自衛の為の戦力を持つことも否定と言う発想になったりもします。


もちろん、これは僕の場合そうだったって話ですが、内山さんがすごいなあと思うのはそう言うのとは違い非常にフラットな見方で日米安保をとらえていること。
そして、完全比例代表制の欠点を理解してる事はさすがだと思いましたね。

僕なんて完全比例代表制の欠点なんか最近調べて学んだばかりですからね(笑)。


そう言う意味で、単なる護憲本かと思いきや、非常にフラットな視点で憲法を語っており、大変学ぶところがあるなと思いました。


こう言う憲法について語る本って思考停止の反戦→護憲になるか、逆に反対側の立場の人も重箱の隅をつつくような感情論になるような印象を持っているのですが、そのどちらにも属さないと言うのが非常によかったですね。


なんせ、愛読書が三酔人経綸問答の僕にとっては西洋紳士も豪傑君も信用できず、南海先生の言うことに一理あると感じていますからね(笑)。


芸スポなんかでのウヨクの方たちの芸能人の在日認定もなんだかなあとは思ってはいます。


ただ、ヘイトスピーチって言葉がサヨク的に使われてるのを見ても同じくなんだかなあと思うので、僕個人はどちらかと言うと右寄りかなと思いますけどね。


まあ、いずれにせよ、この本は良書だと思います。
これは手元に一冊置いておきたいです。